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デスクに置かれたノートパソコン

コラム

当カウンセリングルームには、臨床心理士・公認心理師の資格を持つスタッフが6名在籍しており、それぞれが専門性と経験を活かして日々多様なご相談に向き合っています。そんなスタッフによるコラムを、ぜひお楽しみください。毎月交代で、こころにまつわるテーマをやさしい言葉で綴ってまいります。

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新年を迎えて ― 自分を見つめ直す、ゆとりの時間を

新しい年を迎え、「今年こそは」と意気込んで目標を立てたものの、仕事や日々の忙しさの中で、気づけば三日坊主になってしまった――そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

目標を達成するため、自分らしく穏やかに過ごすために、この新年の始まりに自分を丁寧に見つめる時間をとってみませんか?今回は自分を見つめ直す法方について書いてみようと思います。

 

「自分を見つめる時間」が目標達成の鍵になる理由

自分を見つめることで、感情や思考、行動のパターンや傾向に気づくことがあります。「実はこんなことを不安に思っていたのかもしれない」「こんな癖があるのかもしれない」といった小さな気づきが日々の選択を変えていきます。

たとえば、「今年は丁寧に暮らしたい」と目標を立てたにもかかわらず、仕事を詰め込みすぎて疲れてしまうことはよくあります。その背景には、「頼まれると断れない」「常に完璧でいなければならない」といった無意識の行動パターンがあるのかもしれません。そう気づけたなら、「3つに1つは断ってみる」「今日でなくてもいいことは明日に回す」といった現実的な行動の工夫が生まれます。

 

目標そのものを修正する前に、「なぜ疲れてしまうのか」「自分にはどんな傾向があるのか」に目を向けること。それが、行動を変えるための最初の一歩です。

 

自己理解を深める2つの方法

では、日常の中で自己理解を深めるために、どのようなことができるでしょうか。

1つ目は、ジャーナリング(書く内省)です。

 

ノートやメモに、今日あった出来事や感じたこと、心に残ったことを自由に書き出してみましょう。「なぜそう感じたのか」「本当はどうしたかったのか」と問いを添えるのも効果的です。書くことで、忙しさの中で流れてしまう気持ちが言葉となり、自分を理解する手がかりになります。

 

2つ目は、内省のための小さなルーティンを持つことです。

たとえば寝る前に、「今日うまくいったこと」を1つ、「自分を助けるためにできた行動」を1つ振り返るだけでも構いません。できなかったことを責める視点から、自分をいたわり整える視点へと意識が少しずつ移っていきます。

新しい1年のテーマを決めてみませんか

新しい1年は、誰にとっても白紙のページです。そこに何を描くかは、外側の予定だけでなく、「自分が何を大切にして生きたいのか」という内側の声に左右されます。

 

新年の目標を立てる際、数字や成果だけでなく、「今年の自分のテーマ」を1つ決めてみてはいかがでしょうか。「軽やかさ」「安心」「挑戦」「丁寧さ」など、一言で表せるものがおすすめです。ちなみに、私の今年のテーマは「余裕」です。

 

テーマがあると、日々の小さな選択が自分らしさに沿ったものになりやすくなります。新しい一年が、皆さまにとって穏やかで、自分を大切にできる時間の増える1年となりますよう、心より願っています。

​(2026年1月 田中)

心に灯る、長崎の12月 ―つながりと距離のあいだで―

長崎の12月は、静かな灯りに包まれます。 出島の水辺に漂う冷たい空気、グラバー園の石畳に灯るライトアップ、眼鏡橋のたもとに浮かぶ光。 異国の文化と混ざり合うこの季節は、長崎を訪れる人々だけでなく、私たちの暮らしにも彩りを添え、心にそっとぬくもりを届けてくれるようです。 この街には、日々の営みの中に、人との関わりが自然に織り込まれているように感じます。長崎ならではの人との距離感や、ゆったりとした暮らしのリズムが、街のあちこちに息づいているのです。 たとえば、道ですれ違うたびに交わされる挨拶、顔なじみの店での何気ない会話。季節の手土産をそっと渡し合う地域の集まりや、お裾分けの文化もまた、言葉にならない思いやりのかたちかもしれません。 親戚やご近所さんから手づくりのお餅や野菜をいただいたとき、「気にかけてもらっているんだな」と感じることがあります。そんな“さりげないつながり”は、ふとした瞬間に、心にあたたかさを灯してくれるものです。 一方で、こうした日常のやりとりが、じんわりとした安心感をもたらすこともあれば、時に「気を遣う」「見られている」といった感覚につながることもあります。地方ならではの「近さ」は、あたたかさと同時に、息苦しさを感じさせることもあるのではないでしょうか。 特に、転勤や引っ越しなどで新たな土地に暮らし始めた方にとっては、環境の変化に加えて、地域の空気感や人間関係の築き方に戸惑いを覚えることもあるかもしれません。 また、自然との距離が近いこの土地では、季節の移ろいが心に響きやすく、とりわけ年の瀬は、心が静かに揺れる時期でもあります。忙しさの中で自分のペースが乱れたり、集まりが続いて疲れを感じたりすることは、誰にでもあること。「年末が近づくと落ち着かない」「集まりが増えると疲れてしまう」—そんな声もよく耳にします。知らず知らずのうちに、心が疲れていたり、言葉にしづらい違和感を抱えていたりすることもあるのではないでしょうか。 そんなときこそ、この季節に、自分のために灯す小さな光を大切にしてほしいと思います。 静かな夜にひとりで飲む温かいお茶、好きな音楽をゆっくり聴く時間、あるいは、信頼できる誰かにそっと話すこと。周囲の役割をこなす「私」ではなく、あなた自身が本当に感じている「私」の気持ちに、まずは耳を傾けてみてください。「そう感じていたんだね」「よく頑張ってきたね」と、自分に優しく声をかけるだけで、心は少しずつ整っていきます。 カウンセリングは、特別な悩みがあるときだけのものではありません。「なんとなく話したい」「この気持ちを言葉にしてみたい」——そんな小さなサインに気づき、耳を傾ける場として、日常の中にそっと寄り添う存在でありたいと、私たちは願っています。 長崎の灯りが、冬の夜にそっと寄り添うように。あなたのこころにも、静かなぬくもりが届きますように。 ​(2025年12月 吉岡)

カウンセリングの前に、
ちょっとだけ知っておくと安心なこと

前回のコラムでは、「カウンセリングは特別な人のものではなく、誰もが気軽に利用できる身近な心のケアのひとつ」であることをご紹介しました。今回はその続きとして、初めてカウンセリングを受ける方が、より安心して時間を過ごすために「カウンセラーに伝えておくとよいこと」についてお話しします。 カウンセリングでは、話したいことを自由に話していただくことが基本です。ただ、「何から話せばいいかわからない」「うまく伝えられるか不安」と感じる方も多くいらっしゃいます。そんなときは、事前に少しだけ準備しておくと、安心して話し始めることができます。 たとえば、以下のようなことをメモしておくのもおすすめです 今、気になっていることや困っていること 「人と話すのがしんどい」「なんとなく苦しい」など その悩みが始まった時期やきっかけ  「進学や異動など生活環境が変わってから」「漠然と将来のことを考えて」など 日常生活への影響 「やる気が起きない」「仕事に集中できない」「勝手に涙が出る」など カウンセリングで得たいこと 「気持ちを整理したい」「考え方のクセを知りたい」「誰かに話を聞いてほしい」など 思いついたことをメモ帳や携帯に書き留めておくだけでも十分です。言葉にならない思いも、そのまま持ってきていただいて構いません。 また、「話すのが苦手」「沈黙が不安」といったご心配も、最初に伝えていただいて大丈夫です。カウンセラーは、そうした気持ちも含めて受け止めながら、安心できる時間を一緒につくっていきます。 もちろん、「特に何も準備していなくて…」という方もたくさんいらっしゃいます。その場合も、カウンセラーから質問させていただきながら進めていきますので、どうぞご安心ください。 カウンセリングは、カウンセラーとご利用になる方が一緒に進めていく対話の時間です。完璧に話そうとしなくても大丈夫です。少しずつ、ご自身のペースで気持ちを伝えていくことで、心の整理が進んでいきます。 「話してみようかな」と思えたその気持ちを、大切にしていただけたら嬉しいです。 ​(2025年11月 応戸)

カウンセリングって何をするの?
―はじめての方へわかりやすく解説

「カウンセリング」と聞くと、 なんだか特別な人が行く場所、あるいは深刻な悩みを抱えたときにだけ利用するもの ―― そんなイメージを持つ方も少なくありません。 でも実際のカウンセリングは、もっと身近なものです。 それは「安心して自分の気持ちを話せる時間」。 日々の生活の中で、心を整理したり、モヤモヤを言葉にしたりするための場所です。 カウンセリングの流れ|初回面接からのステップ カウンセリングの流れは、とてもシンプルです。 まず最初に「初回面接」と呼ばれる時間を設けます。 ここでは、今の気持ちや気になっていることを自由にお話しいただきます。 その中で、相談者とカウンセラーの二人で、今後の方針や進め方を一緒に考えていきます。 その後は、1〜2週間に1回、または月1回など、ご自身のペースでカウンセリングを続けていきます。 話すことで少しずつ気持ちが整理され、「これからどうしたいか」が見えてくることも多いです。 「カウンセリングでは何を話せばいいの?」 「カウンセリングって、何を話せばいいの?」 これは初めての方から特によくいただく質問です。 実は、何を話しても大丈夫ですし、話したくないことは無理に話す必要はありません。話がまとまっていなくても大丈夫です。 「うまく説明できないけど、なんとなく苦しい」 「何が気になっているのか分からない」 そんな状態から始める方も多くいらっしゃいます。 沈黙があっても問題ありません。 ご自身のペースでお話しください。 「こんな悩みでもいいのかな?」 「こんなことを相談していいのだろうか」「もっと大変な人がいるのに…」 そんなふうにためらう方も多いですが、悩みに大小はありません。 ・最近、気持ちが落ち着かない ・家族や職場の人間関係にモヤモヤする ・自分に自信が持てない ・なんとなく生きづらい こうしたテーマも、すべてカウンセリングの対象です。 ただし、医療的な治療などカウンセリング以外の専門性が必要と判断される場合には、適切な機関を ご案内させていただくことがあります。 ​ こころの健康を保つために カウンセリングは、心が限界にきたときの「駆け込み寺」であると同時に、 「ちょっと話を聞いてほしい」ときに立ち寄れる場所でもあります。 気持ちが疲れたとき、モヤモヤが続くとき、 誰かに話すことで心が軽くなることがあります。 カウンセリングを、こころの健康を保つための方法のひとつとして 気軽に思い出してもらえたらうれしいです。 ​ まとめ|カウンセリングは特別な人のものではありません カウンセリングは、「悩みを解決するための場」であると同時に、 「自分の心と丁寧に向き合う時間」でもあります。 特別な理由がなくても大丈夫です。 少し話してみようかな、と思えたその瞬間が、 すでに一歩を踏み出しているサインかもしれません。 ​                                  (2025年10月 田中)

その気持ち、ちょっとだけ外に出してみませんか?

少しずつ空気が澄んできて、秋の気配を感じる頃ですね。忙しい毎日の中で、ふと立ち止まりたくなるようなこの季節。今月のコラムでは、「感情との付き合い方」について、見つめてみたいと思います。 日々の生活の中で、私たちはいろんな感情を抱えています。嬉しい気持ちもあれば、なんとなくモヤモヤすることもあるし、言葉にしづらい不安やイライラが湧いてくることもあります。でも、忙しさや周囲との関係の中で、その気持ちをつい後回しにしてしまうこと、ありませんか? 感情は、心の中からの大切なサインです。無理に抑え込まず、ちょっとだけ外に出してみることで、気持ちが整理されて、心がふっと軽くなることがあります。今回は、誰でも気軽に試せる「感情の表現と調整」の方法を3つご紹介します。 ① 書いてみる:気持ちを言葉にしてみる 紙でもスマホでもOK。今日の気持ちを一言だけ書いてみましょう。「疲れた」「なんだか嬉しい」「ちょっとイライラ」など、簡単な言葉で構いません。書くことで頭の中が整理され、感情との距離がとれるようになります。誰かに見せる必要はありません。自分のためのメモで十分です。 ② 動いてみる:音楽に合わせて体をゆらす お気に入りの音楽を流して、肩を回したり、足踏みしたり。ほんの数分でも、身体を動かすことで緊張がほぐれ、気持ちが軽くなることがあります。通勤前や家事の合間、寝る前など、ちょっとした時間に取り入れてみてください。 ③ 描いてみる:色や形で気持ちを表す 絵が得意じゃなくても大丈夫。好きな色でぐるぐる線を描いたり、気分に合った色を塗ってみたりするだけで、感情が外に出ていく感覚が得られます。「今日は青」「なんとなく赤」など、色を選ぶだけでも立派な表現です。 感情をうまく扱うことは、心のセルフケアのひとつです。少しずつ、自分の気持ちに気づき、やさしく表現していくことで、日々のストレスにも向き合いやすくなります。 気持ちに向き合う時間は、自分自身を大切にする時間でもあります。忙しい毎日の中でほんの少しでも、自分の感情に目を向けることが、心の余裕や安心感につながっていきます。 「ちょっとやってみようかな」と思ったときが、始めどき。無理なく、できることから試してみてくださいね。 ​                                  (2025年9月 応戸)

夏の風を感じて、
スマホをそっと置く時間

暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 8月は旅行に出かけたり、家でのんびり過ごしたり、それぞれの時間を楽しみにしている方もいらっしゃると思います。そんな夏のひととき、少しだけ「心の休息」も意識してみませんか? いまの私たちの生活では、スマートフォンやパソコンなど、デジタル機器は欠かせない存在になっています。連絡をとったり、調べものをしたり・・・。でも、ふと気づくと、ほとんどの時間を画面と過ごしていた、なんてこともあるかもしれません。 とくにSNSやニュースなど、情報をたくさん目にしていると、知らないうちに頭も心もいっぱいになってしまうことがあります。気づかないうちに「なんだか疲れやすい」「眠りが浅い」などのサインが出ていることもあるのです。 そんなときにおすすめしたいのが、「デジタルデトックス」という過ごし方です。 これはスマホやネットから少し距離をとって、心と体をリフレッシュする方法です。難しく考える必要はありません。ほんの少しの意識の変化で、心が軽くなることもあります。 デジタルデトックスのちいさなヒント ​​ 朝起きてすぐはスマホを見ない  まずは窓を開けて、深呼吸。自然の光を浴びて、ゆっくり一日をスタートさせましょう。 通知を減らしてみる  SNSやアプリの通知をオフにすると、「今やらなくちゃ」という焦りから少し解放されます。 ごはん中はスマホをおやすみ  食べ物の味や香りをしっかり感じてみると、それだけでリラックスできます。 夜は画面を早めに手放す  寝る前の1時間はスマホから離れて、紙の本を読んだり、好きな音楽を流したり。心がゆっくり落ち着いていきます。 自然の中で過ごす時間をつくる  近くの公園でもOK。木の葉がゆれる音や、風のにおいを感じるだけで、五感がやさしく整います。 ​ 最初は少し不安に感じるかもしれませんが、慣れてくると、静かで豊かな時間が心地よくなっていきます。 この夏は、スマホの画面を少し閉じて、自分の気持ちや体の声に耳を傾けてみませんか?ほんのひとときでも、情報の波から離れて、自分のための“やさしい時間”を過ごすことが、心の栄養になります。 皆さんにとって、心がほっとゆるむ夏になりますように。 (2025年8月 髙木)

ゆっくりと、
自分ペースで過ごす夏

7月。セミの声が響き、空はまぶしいほどに広がる季節。夏がやってきました。 夏休み、お祭り、旅行に帰省……街も人のこころも、どこかそわそわとにぎやかになりますね。 「夏なんだから、楽しまなきゃ」と思う気持ちは、ごく自然なものです。 けれどその一方で、「なんとなく気持ちが落ち着かない」「人に会う予定が多くて、ちょっと疲れてしまう」…そんなふうに感じることも、あるのではないでしょうか。 そんなとき、自分を責めてしまったり、まわりの様子と比べて焦る気持ちが出てくることもあるかもしれません。 でも、こころのリズムは人それぞれ。にぎやかな季節のなかで、自分の気持ちをそのまま受けとめながら、自分ペースで、心地よく過ごせるヒントを紹介させてください。 【自分ペースの夏にするための4つのヒント】 1.「無理に楽しもうとしなくても大丈夫」 SNSやまわりの様子を見て、「自分ももっと楽しんだほうがいいのかな」と思うこと、ありますよね。でも、気分や体調は毎日少しずつ違うもの。気持ちが乗らないときは、「いまはこう感じているんだね」と、やさしく声をかけてあげましょう。 2.「好き」をちょっとだけ優先してみる 冷たいアイスを食べる。お気に入りの香りに包まれる。好きな音楽に耳をすませる。 そんな小さな“うれしい”を、今日のどこかにひとつだけでも。自分にやさしくすると、こころもそっとゆるみます。 3.「笑うこと」を忘れずに 面白い動画を見て、ひとりでふふっと笑う。誰かとの何気ないやりとりで、思わずこぼれる笑い声。大きな出来事がなくても、笑うことには、こころをゆるめる力があります。口角がすこし上がるだけで、気分もふわりと変わることがあります。 4.予定の“あいだ”に余白をつくる 予定が続くと、気づかないうちにこころもからだもぎゅっと縮こまってしまいがちです。 ひと息つける“何もしない時間”を、そっとはさんでみてください。想像以上に、こころが「ありがとう」と言ってくれるかもしれません。 7月は、楽しいことばかりではないからこそ、自分なりの自分ペースで過ごすことが大切です。 どんな過ごし方も、“こうでなきゃ”という完璧な形を目指さなくても大丈夫です。 暑い夏だからこそ、ほんの少し肩の力を抜いて、“自分の夏のかたち”を見つけていけたら素敵ですね。 みなさんにとって、この夏が穏やかで心地よい時間となりますように。 (2025年7月 吉岡)

雨音に包まれる季節に、
そっと心と体をととのえて

6月。空を見上げれば、雲がゆっくりと流れ、雨の気配を感じる日が増えてきました。街を歩けば、紫陽花が少しずつ色づき、葉の上に落ちる雨粒が静かに季節のうつろいを知らせてくれます。 そんなやわらかな変化の中で、私たちの心や体もいつもと少しちがうリズムを刻みはじめます。「なんとなく気分が重たい」「朝起きてもすっきりしない」――そんなふうに感じることはありませんか? 梅雨の時期は、気圧の変化や湿度の高さ、日照時間の短さなどが重なって、心と体にじんわりと影響を与えます。目には見えない変化ですが、なんとなく不調を感じるのは、とても自然なことなのです。 たとえば、曇りや雨の日が続くと、私たちの体内のリズムは少しずつ乱れてきます。眠りの質が落ちたり、気持ちが沈みやすくなったり、疲れやすくなったり。湿度が高い日は、体の中に余分な水分がたまりやすく、むくみやだるさとして現れることもあります。 こんな季節には、いつも以上に「自分をやさしく扱う」時間を意識して過ごしてみましょう。 まずは、朝のひとときを心地よく始めること。 雨の音をBGMに、ゆっくりカーテンを開けて、自然の光をお部屋に取り込んでみましょう。たとえ曇り空でも、外の明るさに触れることで、体のリズムが少しずつ整っていきます。 食事は、体を冷やさない、やさしいものを選ぶことがポイントです。 温かいお味噌汁、生姜やねぎを使った料理など、消化にやさしく、心までほっとするような食事が、梅雨の重たさをやわらげてくれます。 また、体の巡りをよくするには、軽い運動や入浴もおすすめです。 無理に頑張らなくても大丈夫。ラジオ体操やストレッチ、ぬるめのお風呂にゆっくり入るだけで十分です。 そして、もっとも大切なのは、「無理をしすぎないこと」。 雨の日は、空も地面も少しお休みモード。そんなときは、私たちも「少しゆるめに生きる」ことを自分に許してあげましょう。やる気が出ない日があっても、それは怠けではなく、自然に沿った流れのひとつです。自分を責めず、優しい気持ちでそっと受け止めてあげてください。 お気に入りの本を開いたり、雨音に耳をすませたり、ゆっくりお茶を飲んでみたり。そんな小さな時間の中に、心を整えるヒントが隠れています。 梅雨は自然がひと呼吸つくような静かな季節。 私たちもそのリズムに寄り添って、慌ただしい日々の中で、心と体の声にそっと耳を傾けてみませんか。雨の向こうには、また新しい光がきっと差し込んできます。 (2025年6月 髙木)

さわやかなはずの5月

春が終わり、5月も中旬となりました。この時期は、緑が生い茂り、ツツジなどの花々も美しく咲いていて、外の空気がとてもさわやかに感じられます。しかし、春から初夏への移行期間である今、そのさわやかさとは裏腹に、私たちのこころには「しんどい」「きつい」といった疲れが潜んでいることも少なくありません。皆さんはいかがでしょうか。 4月から新年度が始まり、生活や環境が大きく変わった方もいらっしゃるかと思います。そして気づけば、そのスタートから約1カ月半が経ちました。この時期は、「頑張らなきゃ」「もっと成果を出さないと」「親や周囲の期待に応えなきゃ」といった気持ちが強くなりやすい時期でもあります。そうした思いが続くことで、知らず知らずのうちに焦りや不安へとつながり、こころに負担がかかってしまうこともあります。 また、暖かくなり日差しが強くなるなど、季節の変化による影響もあります。気温や気圧の変化でエネルギーの消費が増え、体が疲れやすく、だるさを感じることもあるでしょう。 様々な変化にさらされながら頑張ってきた1ヶ月半。こころにもからだにも、しんどさや疲れを感じる今、短時間で気軽にできるリフレッシュの方法をご紹介します。 🔳自然の空気を感じる 5月の気持ちよい風を感じてみませんか? たとえば、休憩時間に少し外に出て空気を吸ったり、軽く散歩をしたりするだけでもOKです。自然に身を置くことで、心が少しずつ穏やかになり、気持ちがリセットされるかもしれません。 🔳マインドフルネスを取り入れる マインドフルネスとは、「今この瞬間」に意識を向けて、浮かんでくる考えや感情をそのまま受け止めること。判断や評価をせずに、ただ感じてみることで、少しずつ気持ちが整っていきます。5分程度で出来るものもあります。例えば、静かな場所で姿勢を整えて座り、自身の呼吸や身体の感じに注意を向けてみるという方法です。もし他のことが思い浮かんだら、そっとそのままにしておき、また呼吸に意識を向けます。忙しい日々の中で心に余白をつくる手助けになるかもしれません。 ご紹介したもの以外にも、自分に合った方法はきっとあるはずです。中には「自分を労わるのが難しい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんなときは、まず「しんどいな」と感じている自分に気づき、見てあげてほしいなと思います。そして、できる範囲で少しだけ行動してみる。時には、やり過ごすというのもひとつの手かもしれません。 どうか皆さんが、この時期ならではのさわやかな空気を味わい、こころが少しでもあたたかく、軽やかに過ごせますように。 (2025年5月 堤)

春、深呼吸をひとつ

4月。春の空気とともに、新しい生活がはじまる季節です。新社会人として働き始めた方、部署が変わった方、新しいクラスや学校に通いはじめた学生さん、子どもが進学した保護者の方、そしてご家族の介護が始まったという方もいらっしゃるかもしれません。 こうした変化の中では、「ちゃんとやらなきゃ」「しっかりしなきゃ」と、知らず知らずのうちにこころにも体にも力が入りがちです。そしてうまくできなかったことに目がいってしまい、自分を責めてしまう方も少なくありません。 心の専門家として多くの方とお話をしてきた中で、いつもお伝えしているのは、「不安になったり、疲れたりするのは、ごく自然な反応です」ということです。変化の時期は、誰でも揺らぎます。その揺らぎは、適応しようと頑張っている証拠なのです。 そんなときにおすすめしたいのが、「できなかったことより、できたことに目を向ける」という視点です。 たとえば… 朝、いつもより5分だけ早く起きられた 忙しい朝でもお弁当を作れた 途中で遮らず、子どもの話を最後まで耳を傾けた 親にひとこと、感謝を伝えられた メールの返信が面倒だったけど、ちゃんと送れた どれも小さなことのように見えるかもしれませんが、ひとつひとつに「がんばり」が詰まっています。 また、「休むこと」も大切です。毎日を精一杯生きているからこそ、こころにも体にも“休憩時間”が必要です。5分でも、10分でも、自分のための時間を意識してとってみてください。深呼吸をするだけでも、気持ちが少しほぐれるかもしれません。 このコラムが、皆さんのこころに少しでもやさしく触れ、日々を乗りきるヒントになれたら嬉しいです。 来月は別のスタッフが執筆を担当します。それぞれの個性と想いがつまった文章を、どうぞお楽しみに。 (2025年4月 法澤)

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